KOHEY

「人々の休日を豊かにする」アウトドアの伝道師が実現したいこと

<Interviewee>Kohey
<Date>2021/9/28

 

もともと人見知りで口下手、基本的に控えめな性格だというKohey。だが、彼はひとたびスノーボードを履くとゲレンデ中の誰よりもはしゃぐのだと、Lehmansのメンバーは口を揃えて言う。

 

そんなKoheyに、仕事やLehmansでの活動を通して実現したいことについて聞いてみた。

 

スノーボードが素の自分にさせてくれる

「普段は無意識のうちに周囲と協調するように気を遣ってしまうんですが、スノーボードになると自分の滑りたいように滑るし、思ったことをそのまま口に出して叫んじゃうんですよね。なぜだか分からないけど、スノーボードは自分を素にさせてくれるんです。」

 

なぜスノーボードは、ありのままのKoheyを曝け出すパワーを秘めているのか。

 

「せっかくお金をかけてスノーボードに来ているので、『チャンスを無駄にしないで楽しまなきゃ』という思いが人一倍強いのかもしれないです。

もともとスカイダイビングやバンジージャンプのような、アウトドアのアクティビティが好きだったんです。そういう刺激を通して“生きている感じ”を欲しているのかもしれないですね。」

 

そんなスノーボードとの出会いは、Taigaがきっかけだった。

 

「Taigaとは保育園からの仲で、家族ぐるみの付き合いでスキーやキャンプに毎年行っていました。小学校6年生のとき、Taigaが『スノーボードやろうぜ!』と言い始めたんです。その時、初めてスノーボードをやりました。」

 

中学校に入学してからは各々が別の部活に専念し、なかなかスノーボードに触れることはなかった。時は過ぎ、大学生の時にスノーボードを再開してから熱が加速したという。

 

「よくある話ですが、大学生になるとブームが来たように、なぜかみんなスノーボードをやり始めるじゃないですか。俺の場合は、そのブームが過ぎ去らなかったんですよね。」

 

スノーボードにハマった理由は、スリルがあり自然を感じられるスポーツだからだという。

 

「表面霜ができるくらい冷えて澄んだ空気の中で、ピークに登ったときの景色が最高に気持ちよくて、”生きている感じ”がするんですよね。

あとは、スリリングなところにも魅力があるんですよ。普段はできるか分からないようなことはやらない性分なんですが、スノーボードだと気づいたら体が先に行っちゃってる、みたいな。スピード感があるので、多分脳を通さずに判断しちゃってるのかもしれないですね(笑)」

 

スノーボードは、Koheyの野生的な本能を掻き立てるツールなのだろう。

 

カナダでのスノーボード経験

Koheyは、大学へ進学した時「英語を喋れるようになって、海外で働いてみたい」という想いが芽生えた。社会人になる前に海外生活を経験するため、大学4年生で留学に行くことを決意した。

 

留学先は、ワーキングホリデーで渡航しスノーボードができる国に絞り込んだ。結果、1年間カナダへ留学することにした。Koheyは留学先で何を感じたのだろう。

 

「留学の当初は辛かったですね。人見知りで口下手な性格なので、テンション高めの外国人のノリについていけなくて大変でした。ワーホリ仲間にスノーボーダーはいなかったので、基本的に1人でスノーボードに行っていました。」

 

スノーボードができる山を求めて、Koheyはトロントからバンフに移動した。バンフに到着すると、周りはスノーボード目当てに観光にきたオーストラリア人が多く、日本人のいない環境に苦戦したという。

 

コミュニケーションには苦戦したものの、スノーボードの世界観を大きく広げる経験となった。

 

「日本の方が雪質はいいんですが、カナダは地形が最高で。日本のスキー場だと1日あれば大体1周できると思いますが、カナダだと1日では回りきれないんですよ。しかも、コースによって全く表情が違うので、滑っていても全然飽きませんでした。」

 

「休日のデザイン」をお手伝いする仕事

Koheyは普段どのような仕事をしているのだろうか?

 

「今は、“フォレストアドベンチャー”というアスレチック施設で働いています。一般的に、アスレチック施設というと子ども向けの施設が多いですが、フォレストアドベンチャーでは“大人が子どもになれるような”体験を提供しています。」

 

フォレストアドベンチャーにくる人は自然を求めてくる人が大半なので、アスレチックで遊ぶだけでも十分に楽しんでもらえる。しかし、”接客”という付加価値を加えることで、より特別な時間・経験にしてもらえるように心がけながら仕事をしているという。

 

「お客さんの懐に入り込むような接客を心がけています。お客さんのキャラによっては、会って5秒でイジっていたりして(笑)

普段の自分だったら口下手で出来ないのですが、自然の中にいると何故か出来るんです。あとは、お客さんにこれから行く予定の場所などを尋ね、おすすめの場所を教えてあげるみたいな。自分と話さなかったら知り得なかった情報を提供できるようにしています。

お客さんが帰るときに、『あそこ楽しかったよね』と感じてもらうのはもちろんなのですが、『あのスタッフさん面白かったよね』と思い出してもらえるような接客を心がけています。」

 

Koheyは、新卒で専門商社に入社したが、過酷な労働環境にストレスを抱え退職した。その時の、上司や同僚との会話での違和感は今でも記憶に残っている。

 

「上司や同僚が『休日になにをすればいいのか分からない』と言っていたんですよ。『いやいや、スノーボード、キャンプ、ウェイクボードやサーフィンみたいにたくさん楽しいことがあるのに、何で土日を持て余すんだろう?』と疑問に思ったんです。」

 

そこで次は、「土日の余暇に価値を提供できる仕事をしたい」と思ったという。

 

「最初は、アクティビティ体験の予約サイトの運営会社に入ろうと思っていましたが、『お客さんが楽しんでいる様子を目の前で見れる仕事がいいな』と思っていたところに、たまたま友人がフォレストアドベンチャーを紹介してくれたので、実際に働いてみることにしました。」

 

まずは自分の仕事を通じて、目の前で楽しんでくれる人を増やしていきたいという思いで、フォレストアドベンチャーで働くことに決断した。

 

「スノーボードやサーフィンなどは、いきなり初心者が挑戦するにはハードルが高いので、どうしても経験者と一緒に行かないと辛いと思います。でも、フォレストアドベンチャーは初心者であってもカップル、友達、家族連れなどで来れるような場所になっています。

余暇を満喫する方法の1つとしてフォレストアドベンチャーを活用してもらって、そこから自分なりに休日をデザインしていって欲しいなと思います。」

 

そんなKoheyの将来の目標は、神奈川の自然をテーマにして働くことだという。

 

「自然が好きなので、引き続き自然をテーマにして働きたいです。生まれも育ちも神奈川なので、できれば神奈川で働きたいという想いはあります。

三浦半島には、もともと父親の実家があったのでよく行っていました。三浦半島には崖も丘も面白い材料がいっぱい揃っているので、すごい遊びができると思うんです。

そこで、宿泊も含めた”みんなの休日を満喫させてあげられる”ようなビジネスができたらいいなと思っています。」

 

Lehmansのチカラで、さらに多くの人の休日をデザインする

「みんなにはライダーになってもらうから、よろしく!」というTaigaの一言でLehmansへジョインすることが1年前に決まった。

 

「Noと言う気はさらさらなかったですけど、Taigaの一言で即決した感じですね。声を掛けてもらったときは、素直に嬉しかったです。」

 

Koheyは、ステッカーのデザインを担当している。彼のイメージを知人のデザイナーに伝え、具現化してもらう仕事だ。

 

「あとは、冬になった時に『ノーマネーライダーだけど、これだけ楽しく滑れているんだよ』という姿を見せられるようにしたいですね。骨折だけはしないように気をつけながらね(笑)」

 

Lehmansには毎年骨折してしまうライダーが数名いるようだが、怪我には十分気をつけてもらい、今年も最大限に刺激的な滑りを見せて欲しいと思う。

 

さらに、Lehmansの好きなポイントを聞いてみた。

 

「Lehmansのいいところは、プライベートブランドだからこそ身近に感じられるところですかね。大手ブランドって、それなりのかっこいいスノーボーダーをライダーに起用するし、すごいカッコいい映像を使ってプロモーションをするじゃないですか。

かっこいいなと思う一方で、この映像は自分たちには絶対撮れないと思ってしまいます。Lehmansは、一般のスノーボーダーたちが身近に感じてもらえる映像を撮ることならできると思うんですよ。そういう一般の方に寄り添ったブランドでありたいと思います。」

 

「Lehmansはやりたいを叶えてくれる場所」だとKoheyは表現した。今後はどんなことにチャレンジしていきたいと考えているのだろうか?

 

「例えば、山を買ってLehmansのライダー達がやりたいことを詰め込んだスキー場を作りたいです。ピークから降りてくるまでに、いろんな体験ができるスキー場って素敵じゃないですか!今後もやりたいことをやっていきたいと思っています。」

 

最後に、サラリーマンスノーボーダーに対してメッセージを聞いてみた。

 

「月並みですが、人生は一度しかない。『その人生をいかに楽しむか?』の手助けをするのがLehmansというブランドだと思っています。一度騙されたと思って、Lehmansの板に乗ってみて欲しいですね。」

 

控えめな口調ながらも、「人々の休日をデザインしたい」という熱意は十分すぎるくらいに伝わってきた。

 

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一問一答プロフィール

メインスタンス:15,-9

スタンス幅:履いてみてちょうどいい幅(数値は分かりません笑)

使用バインディング:flux ds

使用ブーツ:salomon

ホームゲレンデ:湯沢中里

好きなロケーション:ハイク中に見える地平線見える景色

幸せな瞬間:急斜面パウダーにドロップインした瞬間

必殺技:奇声ライド

尊敬するスノーボーダー:気持ちよさそうに滑るスノーボーダー達

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フォレストアドベンチャー 箱根

https://fa-hakone.foret-aventure.jp/

 

フォレストアドベンチャーはアスレチック施設なので、みんなに遊んで欲しい場所でもあるし、森の中にあるので日々の生活に疲れを感じた時に訪れて欲しい場所です。休みの日にぜひ来てください!

 

Kohey

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[インタビュー・執筆:安井一輝]

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